無理に覚えようとするから嫌になる

資格試験では、最終的には記憶力を問われます。資格試験に合格するためには、本試験の問題を解くことができなければなりません。

本試験の問題を解くためには、結局のところ、その問題を解くための知識が必要になります。本試験では考えるという力は基本的に必要ありません。多くの受験生が、「本試験は考えて考えて考え抜く」という前提を置いていますが、実際には「考えているように思えて、記憶を思い出している」と言えます。

例えば、文章問題を考えるにしても、その文章に含まれている専門用語などの意味を覚えていなければ意味すら分からない訳ですから、考えることは不可能です。ベースとなる知識がなければ考えることができないのは当然で、だとすれば、本試験と言うのは、突き詰めて考えれば記憶力の勝負と言うことになります。

記憶力の良い人が資格試験に合格しやすいか?と聞かれれば、その通りだと言わざるを得ません。しかし、いくら記憶力が良くても、勉強する箇所を間違えてしまっては、合格を勝ち取ることはできないでしょう。記憶力の良い人に限って、難しい問題やそれほど出題されない問題に勉強時間を割く傾向があります。でも、資格試験と言うのは、過去問で頻繁に出題されている基本的な問題を覚えていけば誰でも合格することができるのです。

そうだとすると、始めからガチガチに基本的なことを覚えていこうと気合を入れてしまう女性が多いのですが、これはオススメしません。無理に覚えようとしても、そんなに簡単に覚えられるものではありません。

結果的に、昨日覚えたことを今日は既に忘れている自分に気付き、嫌気が差していきます。「何で自分はこんなに記憶力が悪いんだろう?」と。そして、自分には向いていないという流れになってしまうのです。

一方、受験に慣れている女性は、ある意味お気楽です。「どうせそんなにすぐ覚えられない」と割り切っているからです。実は、このように「前提を替えてしまう」という発想は大変重要なことなのです。

子どもはともかく、大人になれば記憶力の低下は避けられません。物忘れも増え、同じことを繰り返しミスしてしまったりということはたくさんあります。

自分の記憶力が悪いと思う必要はありません。でも、覚えるのに時間が掛かるというのは受け入れるべきです。そうすれば、自然とストレスから解消されますし、変に焦る必要がなくなります。

よく考えてみれば、資格試験は本試験で問題を解くことができる状態になっていれば良いわけで、であれば本試験までに記憶として定着していれば良いのです。そう考えれば、そんなに無理に急いで覚える必要はないと思いませんか?

多くの女性は焦ってしまいます。そして、2回程度繰り返して覚えないと、自分の頭を呪う傾向にあります。でも、たくさんの資格を持っている女性ですら、基本的に5回程度は繰り返さないと覚えられないと言います。

つまり、1回や2回で覚えるということ自体が困難であり、また、本試験まで余裕を持って勉強を開始さえすれば、1回や2回で覚える必要もないということです。忘れたって全く問題ありません。また覚えなおせばよいわけですから。

それが、非効率だと言う意見もあるかも知れませんが、3回目や4回目に覚えなおす時は、1回目や2回目に比べて相当早いスピードで覚え直すことができます。そして、それを繰り返すうちに、忘れる速度は遅くなっていきます。

例えば、テレビのCMソングは覚える気がサラサラなくても、数回聞いていると勝手に口ずさんでしまいますね。これは、覚えようとしていない、つまり、「無理に覚えようとしていない」のにも関わらず自動的に覚えてしまっている訳です。そして、その理由はなぜかというと、繰り返し見たり聞いたからですね。

勉強も同じです。無理に「覚えよう」としなくても、机に向かって問題を機械的に解いていれば、嫌でも覚えてしまうのです。これが、合格の秘訣と言っても良いでしょう。淡々と機械的に問題をこなす。ですから、毎日、少しでも良いから机に向かう習慣を作ることが大切になります。

そして、テレビCMも1回や2回聞いただけでは覚えられないのと同じように、勉強も1回や2回では覚えることはできないと自分にOKを出しておく。このOKがあれば、そんなに簡単に覚えることはできるはずがないという前提が自分の中で肯定され、今度はそれが前提になって、繰り返しやれば良いのだという戦略が見えてくる。

戦略とは方向性のこと。成り行きで勉強するのではなく、「こうすれば合格できる」と自信を持つことがいわば戦略になる。

無理に記憶をする必要はないのです。忘れたら繰り返せばよい。私たちは毎日いろいろな情報を処理しているのですから、ゆっくりゆっくり進めばいつか完璧に覚えることができるようになります。

「忘れたらまたやればよい」単純ですが、これこそ勉強の本質なのです。そして、難しいことではありません。でも、この単純作業は誰でもできるわけではないのです。だから、合格する人と不合格になる人が存在するのです。

でも、本試験の日程は決まっているので、早く勉強始めた方が有利であることは間違いないですね。

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