資格試験と言うものは、基本的に「落とさない」試験です。つまり、がんばって勉強すれば、必ず合格することができるのが資格試験なのです。
私も職業柄、いろいろな資格試験の問題作成等に関与することがあります。そこで考えることは、「受験生を苦しめよう」などと思うことはありません。もちろん、試験である以上、全員を合格させることはできません。ですから、何らかの形で受験生間に差がつくように問題を作成する必要があることは事実です。
資格試験で合格させたい人は誰か?それは、頭が良い人でもなければ、既に専門性を有している人でもありません。
資格試験の勉強を真面目にやってきた人。あなたが資格試験の問題を作成する作問者であれば、そう考えるでしょう。勉強をがんばってきた人は、合格すれば実務や現場でも、仕事に資格を活かしてがんばってくれるだろうと推測することができるからです。
だとすれば、難しい問題を出題する必要も無ければ、奇抜な問題を出題する必要もありません。ほとんどの問題は、しっかりと勉強してきた人が解くことができる問題で構成されるはずです。
そこで、結局は過去の問題をベースに、本試験問題が構成されることになる訳です。つまり、過去問題をしっかりと解いていれば、ほとんどの資格試験は合格することができるように作られている。
そして、この事実を知っている人は決して少ないわけではありません。「過去問を解けば資格試験は合格することができる」という事実を知っていながらも、なぜか合格する人と不合格になる人に分かれる。
落とす試験でないことは明らかなのに、自分から勉強をしないがために勝手に落ちてしまう、それが資格試験の実態なのです。
試験委員からすれば、落とすと言う思考よりも、合格させようと言う思考の方が強い。過去問題と言うのは、ほとんどの資格試験で公開されています。インターネットで検索すれば、いくらでも探すことは可能なのです。つまり、無料で合格するための情報が収集できる訳です。
にも関わらず、合格する人と合格しない人が出てくる。これは、合格できるのにも掛からず、合格を自分から放棄しているのと同義だと言えるでしょう。
一方で、「過去の問題からほとんど出題されるのは分かっているのに、勉強を継続することができない」と言うのが受験生の現状でしょう。しかし、出題されることが分かっている問題を継続的に解くことができないと言うのであれば、それは自ら合格したくないと言っているのに等しいのです。
確かに、忙しい主婦やOLが、毎日のように勉強をするのは大変かも知れません。そして、同じ問題を解くことに飽きることもあるでしょう。周りは遊んでいるのに、なぜ自分だけが勉強しなければいけないのか、と言う被害者意識に陥ることもあるかも知れません。
しかし、資格の勉強に費やす時間と言うのは80年の人生を前提に置けばほんの一瞬であり、未来永劫続くものではありません。
資格試験と言うのは、勉強を開始した時点で、既に「合格を掴んでいる」のです。後は、その合格を逃さないように、問題を繰り返し解くことが必要になるだけです。挑戦する全ての女性には、落とすことの無い出題設計が予め作られています。
合格できるか、できないかはあなた自身の精神力に全てが依存されているのです。資格試験の合格は決して難しいものではありません。全ての人に、平等なチャンスが与えられ、そして、どうすれば合格することができるのかも既に分かっているのですから。
世の中の全てのことは、「シンプル」なのです。