1点・1問の重み

資格試験は普通に勉強をしていれば、それなりに点数は取れてしまうようにできています。一通りの範囲を、最後までしっかりと一通り行うことで、合格ラインレベルまでは到達することができるのです。

合格することができるかどうかは、本当に僅差です。1点の中に多くの人間がひしめき合っているのはどの資格試験でも共通しています。

1点の重み
1点の重み

受験者の得点分布図をグラフに描いたとすると、釣鐘上のグラフで表すことができます。

真ん中が最も分布が多く(平均点)、両端の0点と100点に近づくほど分布は少なくなっていく。

つまり、多くの受験生は平均点程度は取れていることになります。資格試験の合格ラインは、平均点よりやや上に置かれることになりますが、それでもまだまだ分布上はたくさんの受験生がウヨウヨしている状態なのです。

宅地建物取引主任者と言う資格試験があります。国家資格の中でも人気の資格であり、法律の登竜門的な位置づけから、毎年およそ20万人程度が受験しています。

この宅建試験は、毎年合否のボーダーラインが変わります。これは、合格率や合格者の数をある程度調整するためです。

この場合、1点(あるいは1問)ズレるだけで、何人もの受験生が合格するか、不合格になるのかスレスレの状態になるわけです。

たった1問(1点)異なるだけで、場合によっては数千人単位で合格する人と不合格になる人が出てくる。そのぐらい、資格試験において1点が持つ重みと言うのは極めて大きいと言うことなのです。

何年も合格することができない、と言う主婦やOLから相談が多くあります。その時に考えて欲しいのは、「今年平均点ぐらいの点数だったから、来年はもう少しがんばれば合格できるだろう」と言うように、安易に考えていませんか?ということです。

オリンピックをイメージしてみてください。1秒、あるいは、コンマ1秒を競っている種目も少なくありません。そのコンマ1秒のために、実に4年間を費やしているのです。オリンピック直前の数日間だけ練習しているのではありません。4年間と言う長い歳月を、1秒、コンマ1秒伸ばす、あるいは縮めるために努力しているのです。

オリンピック選手は、今年銀メダルだから、次は少し練習すれば金メダルを取れるとは思わないでしょう。なぜならば、金メダルを今回取った人もまた練習してきますし、銅メダルだった人はさらに追い上げてきます。自分も、同じように4年と言う期間をしっかりと練習に費やさない限り、次回の金メダルはありません。

資格試験も、今年ボーダースレスレだったとしても、結局は合格しない限りタダの人です。1点足らずで不合格になろうが、20点足らずで不合格だろうが、不合格と言う意味では同じことです。厳しいようですが、これが現実です。

資格試験でも、毎年のように新しい受験者は増えてくるわけで、その意味で手を抜いたら抜かれるのです。

1点のために、1年間を勉強に費やしてくる受験者も実は多いのです。1点や1問の重みを知っている人は、たかが1点や1問とは思いません。されど1点や1問なのです。

本試験での1点は本当に重いものがあります。日頃から、1点でも多くとろうという意識を持って勉強をすると良いでしょう。それが、本試験でもパワーを発揮することになります。

1点で笑う人、泣く人の差が出てきてしまう。これは、ある意味残酷で冷酷なことです。しかし、だからこそ資格試験に合格することの意味や意義は大きいと言えるのです。

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