知らない・未経験だから不利ということはない

資格試験に挑戦する女性で、「自分はその分野のことを全く知らないから試験に合格するのは無理」だとか、「簿記の勉強をしたいけど、事務職はやったことがないから」という理由で資格取得を諦めてしまう人が多いのです。これは、非常にもったいない話なのです。

そもそも、その分野の実務経験や知識があれば必ずしも資格試験に有利ということではありません。もっと言えば、逆に不利に働くケースですら存在します。それは、実務で問われている知識と資格試験で問われている知識は必ずしもイコールではないからです。

事務職の経験が5年あるOLが、簿記の試験に受かりやすいかと言うと必ずしもそうではありません。では10年ならば良いのかといえばそれも違います。期間の問題でもなければ、仕事ができる人が資格試験に合格しやすいと言うことでもありません。

例えば、事務職というのは企業によってやり方がかなり異なる部分があります。つまり、会計処理に差があるのです。これは、実務的には様々な解釈があることやどの方法を採っても正しければ良いなどの理由から容認されています。ですから、ある企業ではAという方法で処理をして、ある企業ではBという方法を採用している。実務ではこのように、全てが統一的な対応をしているわけではありません。

一方、資格試験の場合には原理原則たる理論が中心的に出題されますので、自分が普段やっている会計処理とは異なることを勉強することも多いわけです。そうすると、自分の頭の中で反発が起きます。そして、その反発が記憶力にも影響を及ぼしてくるということが少なくありません。

逆に、何も知らないのであれば、「そういうものか」というレベルで、何の反発もなく自分の頭の中にスムーズに知識として入ってくることになります。つまり、疑うことなく素直に記憶することができる。だとすると、実務的な能力が高いことと試験に受かりやすいということは必ずしもイコールではありません。全く別の知識を要求しているとさえいえるのです。

何も会計に限った話ではありません。他の分野でも同じことが言えます。だからと言って、実務経験があると資格試験に合格することはできないのか、と言えばそういうことではありません。

業界用語などがスムーズに理解できますし、法律であれば読み方や解釈の仕方、条文構成などを知っていることはプラスに働きます。

だとすると、実務経験者でも初学者でもメリットデメリットは互いに存在していると考えることができます。どちらが有利でどちらが不利ということは一概に言えないのです。

だからこそ、「経験がない」「知識がない」ということを理由に、資格試験を諦めてしまうのはもったいないということになります。むしろ、初めてだから、知らないからこそs素直に勉強しようと思えば圧倒的な強さに変えることができるのです。もっと言えば、知らないからこそ勉強する意味があるともいえるでしょう。その資格の内容について相当詳しいとすれば、何も資格試験に挑戦する必要すらありません。

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