質は量から生まれる

勉強をするのであれば、「効率的な勉強をしたい」と思うのが忙しい主婦やOLにとっての想いだろう。勉強の効率が上がれば、少ない時間で最大の効果を得ることができるし、その空いた時間で自分の趣味などに時間を回すこともできる。主婦やOLは他にもやらなければいけないことがたくさんあるのだから。

効率と言うのは、突き詰めて言えば「質を高める」と言うことになります。質の高い勉強、質の高い仕事、質の高い眠り・・・など、最近は「高い質」が求められているのはご存知の通り。これは、買い物をする時も同じことで、どうせなら安くて質の高いものが欲しいと思うのと同じことですね。

ところで、質を高めるために、様々な勉強に関するツールが販売されています。例えば、記憶力を高める方法とか、寝ているうちに覚えてしまう方法とか。

別にこれらを否定するつもりもありませんが、質を高めるということについて、もう少し真剣に考えてみることも必要だと思うのです。

よく言われるのが、「勉強は量より質」という考え方です。質が高ければ、最小限の努力、すなわち少ない量で合格することができると言うもの。確かに、勉強範囲が一定だと仮定した場合、質の低い状態で10時間やるのと、質の高い状態で5時間勉強することの効果が同じだとしたら、誰だって5時間で済ませたいわけです。

だから、その方法を考えたときに、記憶法などのツールに頼ろうとする。

でも、勉強ではなく、仕事と置き換えて質を考えてみて欲しいのです。仕事の質を高めるために、何か便利なツールがあるかと言えば思い浮かばない。では、どのようにしてみんな仕事の質を高めているのかと言うと、「量」です。

量をこなしているうちに、要領が分かり、スピードが速くなり、余裕が出てくる。結果的に、次からは自分流のやり方で少ない時間で同じレベルの質を維持することができる。これが、結果的に「質が高い状態」です。

だとすると、質を高めるためには、「量」が必要だ、という論理が成り立ちます。繰り返してやっていることが、自分の経験になり、そして質を高めることになる。いきなり質を高めたいという考えは否定しませんが、最初からそのような事を誰もができるならば、職人の世界は成立しませんし、専門家と言う人々も不要です。

資格試験に合格すると言うことは、その分野については一応の専門的な知識を有しているというお墨付きを貰うわけです。つまり、専門家になるということ。専門家になるためには、勉強の方法も含めて、ある程度の量をこなさなければなりません。

つまり、質の高い状態に持っていくことが勉強だということができるわけです。勉強と言う作業を大量にこなした結果、始めて合格を手に入れることができる。そして、その合格を勝ち取った状態が始めて高い質を自分が手に入れたことになる。

そこを無視して、最初から「高い質」を求めることそのものが少しおかしいと思いませんか。「量より質」は確かに理想ですが、あくまでそれは最終的に実現できることであって、まずは「質より量」にウエイトを置く必要があるのです。

しかし、安心して欲しいのは、量を追えば必ず質は高まるという事実です。勉強だけに限らず、全ての事象に普遍的に当てはまる法則です。繰り返すことで、あるいは、大量にこなすことで、様々な効果が働いて質は高まっていきます。

熟練工と呼ばれる人たちはその典型例ですね。どんなに優秀であっても、1日では熟練工にはなれません。逆に、失礼な言い方ですが、それほど特徴のない人であっても、40年やっていれば熟練工になることができるのです。

質は重要、でもそれ以上に量も重要なのです。だから、諦めないで、コツコツ継続して勉強を続けることが重要になるわけです。そして、それができる人は、必ず資格試験に合格することができるのです。

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