社会に対する資格合格価値の変化

難関資格を取っても・・・変わる資格の価値

資格を取って人生大逆転!そんなドラマは昔は結構あったものです。

 

司法試験というのは、合格すれば弁護士・検事・裁判官の道が拓けるという法曹界の頂点に君臨する試験であり、日本の資格試験の中で最難関の資格試験。旧司法試験では、平均合格期間はおよそ8年といわれていました。

 

が、合格すれば「人生安泰」という資格でもありました。ありました、と過去形であるのは最近では必ずしもそうは言えなくなってきたからです。新司法試験に移行して合格者を増やそうとしたのに、「合格者がある程度増えたら就職できない人が増えた」「合格者を増やすはずで放火大学院の仕組みを整備したが、思ったよりも合格ラインをクリアするものが少ない」という問題に直面しています。

 

2011年の司法試験合格発表は9月8日にありましたが、合格率は23・5%と新司法試験に移行してから過去最低を記録。法務省の目論見どおりには行かないようです。

参考記事→新司法試験 合格率23・5% 過去最低

 

 そもそも日本は法曹界の人口が少ないという前提で、優秀な法曹関係者を増やそうとした試みですが、結果としては運用に成功しているとはいえません。

 

アメリカは弁護士になっても実務の競争が非常に激しいので、資格は取れて当たり前(アメリカで弁護士になることは日本ほど敷居が高いということではない)で、その先で勝負をさせる。

 

日本ではそういった取り組みは馴染まなかったようです。

 

日本の公認会計士資格も同じような状況になっています。

 

日本の三大国家試験といえば、昔から司法試験・公認会計士試験・司法試験を指していました。要するに、難しい資格ということです。

 

司法試験同様に、公認会計士も合格者を増やそうとしているわけですが、その結果として「就職できない公認会計士」が毎年どんどん生まれています。

 

公認会計士というのは、試験に合格しても公認会計士補という位置付けであり、実務経験を積まなければ公認会計士にはなれません。ですから、合格者としてはなんとしても監査法人や会計事務所で経験を積みたいということになるのですが、それが狭き門なのです。

 

公認会計士合格者の4割が就職先がないといいます。この場合、結局は公認会計士有資格者ということにはなりますが、公認会計士を名乗ることはできません。

 

参考→「会計士浪人」救済、金融庁が本腰

 

こういった問題は、受験生の減少をもたらします。就職先がないとなれば受験を控える人が出ても当然であって、実際に司法試験を目指す法科大学院の受験者はどんどん減少しています。要するに人気がなくなってきたということです。

 

これは、公認会計士も同じことが起きています。そして、人気がなければ受験者の絶対数が減っていきます。そうなると、合格するのが難しくなってきて、また受験者が減るという悪の循環にはまることになります。

 

受験者が減れば合格しやすいと一般的には考えますが、そうはなりません。合格率は基本的に一定なので、合格率が20%と仮定した場合、100人受験すれば20人が合格しますが、50人に受験生が減少すると合格者は10人に半減します。それだけ競争が激しくなるということです。

 

今後、司法試験や公認会計士試験はどんどん難易度が上がるかも知れません。

 

自分にとっての価値を目指す

そうなると、なかなか難関資格を持っていても評価がされにくいということになるでしょう。

 

ですから、無理に難関資格を狙うのではなく、社会が必要としている資格を狙っていくのも一つです。例えば、社会保険労務士という資格はいまだに人気の資格で、年金などの絡みもあってまだまだ人気は衰えそうにありません。女性には特にオススメの資格です。

 

あるいは、難関資格を転職や独立の武器として考えるのではなく、自己成長のためとして考える。なかなかそこまで余裕を持って考えるというのは現実的には難しいのですが、難関資格を取っても職が見つからないという事例が頻発している以上、そういった考えを持つことも必要でしょう。

 

いずれにしても、資格に対するマーケット(企業など)の評価は大きく変わりつつあります。

 

簡単に言えば、昔ほどの印籠的な効果は期待できません。弁護士や会計士をとっても就職できないということからそれは伺い知ることができます。

 

ならば、資格は不要か?という議論にすぐ結び付けようとする人がいるのですが、そういったことではありません。自分に必要な資格を、あるいは必要な目的を明確にして勉強すれば良いのです。

 

経験上、半数以上の女性は、資格を「自分の価値向上」のために取得しているようです。

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