夏は資格試験の本試験シーズンがはじまります。
この時期は、連日のように本試験が実施され、多くの資格試験受験生が暑い中、本試験会場へと繰り出します。
そうなると、この時期は多くの受験生が「直前期」を迎えているということになります。
直前期というのは、本試験に備えて最終的な調整を行なう時期で、非常に重要な位置付けです。
なぜかというと、この時期に多くの受験生が「力を伸ばす」ことができるからです。
今までの勉強で思ったような成果が出てない、やってもやっても点数が安定しない、という悩みを抱えていた受験生が、急激にレベルを上げてきます。
今までの苦労の過程で積み上げた知識が、自分の頭の中で上手く結合して、「分からないものが分かるようになる時期」であり、「できなかったものができるようになる時期」なのです。
ですから、直前期というのはガンガン勉強をすることで、成績を伸ばすことができるのです。そして、それは受験生自身でも体感することができることです。
ですから、この時期は辛いながらも「もう少しがんばろう!」という気になることができる。
一方で、直前期に何かにとり憑かれたかのように急に勉強をする気力が低下してしまう、という受験生も実は多いのです。
これを、階段の踊り場現象と言っています。
階段には区切りとして、踊り場が設けられいます。
長く続く階段を資格試験のゴールに向かって進む光景を考えると、途中で存在する踊り場で休息をとるように見える。
要するに、階段の踊り場で休んでいる様を「階段の踊り場現象」と言っているわけです。
直前期には時間がいくらあっても足りませんので、たとえのぼっている階段に踊り場が見えても、休んでいる時間などはないはずです。でも、なぜかやる気がしない。直前期で今まで以上に勉強をしなければいけないということは分かっているのに、やたら眠い、疲れる。
そういった受験生は、階段の頂上が見えている可能性があります。
山登りもそうですが、頂上が見えない段階では、先が長いことが明らかですから、登ることを辞めることはできません。ひたすら頂上を目指して登り続ける。
資格試験で言うならば、これが基礎期にあたるイメージです。
しかし、いずれは頂上が見えてくる。
頂上が見えてくると、「あと少し」という感覚になりますが、そこで「気が抜けてしまう」ということがあり得ます。
・簡単に言えば、まだその山には登りきっていないのに、上りきった感覚になってしまう。
・あるいは、もう少しで登りきることができるから、それほど急がなくても大丈夫だ、と余裕を持ってしまう。
以上の2つの理由から、もう少しなのにやる気が出ない。
逆に言えば、もう少しだからこそ、余裕をかましてしまう。
いずれの場合も、「そうはいってもやらなければいけない」という思いがあることでは共通しています。
こういった場合、ある意味では早く調整しすぎた(勉強が進みすぎた)感もありますが、それはそれで他の受験生と比べれば有利な証拠。
いったん頂上に登って、また登り直すというようなイメージを持って欲しいと思います。頂上に登るのは、本試験と同時である必要はありません。また、1度頂上に登っても次に同じように頂上に登れる保証はありません。
何度頂上を目指しても必ず登頂できる。これは、過去問題を何度解いても必ず合格点を撮ることができるのと同じこと。
過去問題・模擬試験を何度やっても100点が取れるレベルまで行って、はじめて休んで良い。あなたはまだまだ休んではいけないのです。
さあ、がんばっていきましょう。