サブノートより間違いノートを作る

資格試験の勉強についてよく相談を受ける内容として、「サブノートは必要ですか」というものがあります。

サブノートというのは、テキストを補完するような目的で作るノートのことで、中学や高校の時に、先生が黒板に書いている内容をノートに必死になって板書(書き写す)した経験はありませんか?こういったノートをサブノートといっています。

サブノートよりも間違いノートの方が重宝する
サブノートよりも間違いノートの方が重宝する

結論からいえば、「サブノートはいらない」といえます。理由は簡単で、サブノートをわざわざ作らなくても、テキストに書き込めば十分であることと、サブノートを必死になって作ってもほとんど見る機会がない、この2点です。

高校時代などでは、先生によっては教科書(テキスト)にいろいろなことを書き込むことを善しとしない指導をする先生がいます。場合によっては、授業をしっかりと聞いていたかどうかの証明としてノートを提出させるようなこともあったかもしれません。

それはそれで教育方針ですから良いのですが、資格試験の場合にはサブノートを綺麗に作ったからといって誰かがそれを評価することはありません。また、テキストに書き込みをしてはいけないというルールも存在しません。

全てはあなたのやりやすいようにすればよい、それがルールです。

そうだとすると、最も効率的なのは、「テキストにどんどん書き込みをしていく」ということです。

資格試験に効率的に合格するためには、テキストではなく問題集を中心にした「問題を解く」という作業がメインになります。問題をやっていくなかで、不明点などをテキストにかえって参照する。つまり、「テキストは辞書的な役割」を持つに過ぎないのです。

そして、誰かに提出を求められることもありません。

ですから、テキストにどんどん書き込みをしていけば良いのです。テキストの空欄がなくなるくらい、仮にテキストに書き込みができないくらいいろいろなことがメモされた場合には、ポストイットなどの付箋を貼ったりすれば大型の付箋であればまだまだ相当なことを書くことができます。

つまり、「あらゆる情報をテキストに集約する」ことがポイントです。

サブノートを作っても、大抵の場合には自己満足で終わるケースが多く、ほとんど繰り返しそれを見ることはありません。また、テキストとノートという2つのツールができてしまい、どちらに重要なことが書いてあるのかわからなくなるということもあります。

情報はこれを見れば全部網羅されている、というものを一冊作っておけば、勉強も効率的に行うことができます。

テキストを汚してはいけない、綺麗に使わなければいけないという教え方をされた女性もいるかも知れませんが、資格試験の場合にはむしろどんどん汚してください。もちろん、グチャグチャになるほどマーカーで線を引いたりするのは好ましくありませんが、メモがたくさん書いているテキスト、非常に愛着がわいてくると思うのです。

このテキストを見れば「試験に必要なことは全部網羅されている」というあなた自身の百科事典を作るイメージです。

一方、サブノートを作りたい人のもう一つの理由として、「書くことによって覚えることや理解が進む」ということもあるようです。勉強スタイルとして、書くことで覚えやすいと言うことは現実に存在しますので、そういった理由からサブノートを作りたい人もいると思います。

このような人には、「間違いノート」の作成をオススメします。

間違いノートとは、問題を解いていく中で、間違えてしまった問題が出てきます。それを、どこで間違えたのか、正解はどうするべきだったのかということをノートに整理していく。ただそれだけなのですが、効果は高いといえます。

つまり、既にできる問題は覚える必要がないわけですから、ノートに書く必要はありません。ノートに書くことが、覚えたり理解を促すことを目的にするのであれば、現時点でできないことをノートに書くことが求められます。

ですから、実際に問題を解いて間違えてしまった問題をノートに書いていく。そうすることで、できなかった問題の理解が深まるということになります。

また、間違いノートは、繰り返し見たり読むことで、自分の弱点を克服するという作業をしていることになりますので、例えば夜に問題を10問やったら、その10問のうち間違えた問題をノートに理由含めて書いておく。そして、次の朝にそのノートだけを見返すことをすればそれで十分な復習を行うことができます。

さらに、間違いノートは仮に見直さないとしても、「何故間違えたのか」を書くことによって、書くこととノートに整理するプロセスを通じて記憶として定着しやすいということもあります。サブノートは作るだけではそれほど意味がありませんが、間違いノートは作るだけでも十分価値のあるものになるのです。

間違いノートはオススメの方法です。しかし、まだ問題をあまり解いていない状態で作ろうとすると、間違いノートを作る量が多くなってしまうので、問題演習を2~3回繰り返した段階で、間違えてしまった問題を抜き出して作るようにすると良いです。

間違いノートを作ることが目的ではありません。いつも間違えてしまう問題を、しっかりと書いて整理することで次から間違うことにないようにすることが目的なのです。

その意味で、間違いノート作成は、試験の直前期や後期の段階で活用して欲しい方法です。

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