択一式の問題を勉強しながら覚える際には、注意点があります。
それは、単に覚えるということではなく、しっかりと丁寧に覚えていくということです。
特に択一式試験の場合、4肢択一や5肢択一の場合には要注意です。
なぜならば、4肢や5肢の場合には、1つの肢の正誤が分かるだけで解けてしまう問題が存在します。この場合、残りの肢の検討を不十分なままで終わらせてしまうことが多いのです。
その問題であれば100%の正答率を常に出すことができるかも知れませんが、その1つの肢が変わった瞬間に全く解けなくなるという状況を招きます。
これでは、覚えたうちに入らないわけです。
具体的に見ていきましょう。
次のような誤りを探す3肢択一問題があったとします。
- 日本で車を運転する場合、車の免許は必要ない
- 居酒屋と飲み屋の意味は異なるものである
- ある国では空気に対して税金を払う制度がある
答えは、明らかに誤っているのは1です。
(これは仮の問題なので、場合によっては2と3も誤りの可能性がありますが、要するによく分からないものを作ったという出題の意図があります)
で、ここで重要なのはこの問題を次に解く時に、正答するのは難しいでしょうか?ということですが、別に難しくはありません。次に見たときには、感覚的にこれは1だな、と極めて簡単に解くことができる。だとすると、この問題はある意味簡単なわけです。
しかし、問題を解いて覚えるというのは、感覚的に覚えていても意味がありません。しっかりと、なぜそうなのかという根拠までをも押さえておく必要があります。つまり、なぜ2と3は正しいのかという、それぞれの肢ひとつひとつを十分に検討したうえで、誤りは1であるということが導き出せないと意味がありません。
なぜならば、資格試験では過去の問題が繰り返し出題される傾向にありますが、それはあくまで肢が同じであって、セットとしては異なるものです。何が言いたいかというと、次のような2セットの問題があったとします。
パターン1.誤りを選べ
- A問題文「日本で車を運転する場合、車の免許は必要ない」×
- B問題文○
- C問題文○
パターン2.誤りを選べ
- D問題文○
- E問題文×
- F問題文○
過去問題で仮にこのような2セットの問題が出題されたとすると、次の本試験ではパターン3として出題される可能性があります。
パターン3.誤りを選べ
- パターン2の3○
- パターン1の3○
- パターン2の2×
こういった出題がされた場合、パターン1の「運転免許の問題」は消えてますので、感覚で解けることができた人は、この問題には正答することができない可能性があります。
一方、車の免許の問題が消えても、もともと全ての肢がなぜ違うのか、なぜ正しいのかというひとつひとつを丁寧に見ていた人は、必ず正答することができます。
だとすると、実は択一試験というのは、「セットで考えるのではなく、ひとつの肢で考える」これがポイントになるのです。
つまり、肢は単なる肢ではなく、それ自体が1つの問題を構成している。ひとつひとつの肢が必ず○か×に分類することができるということです。
こういった問題の考え方を「一問一答」といったりします。
問題の答えが明らかに分かったとしても、すぐに答えるのではなく、全ての肢を検討していく。ただそれだけのことを行いましょうということです。
では、具体的にどうすれば良いのか。それは次で見ていきます。