社会保険労務士試験(社労士)の受験資格が拡大されます

社会保険労務士試験と言えば、社労士として女性に圧倒的な人気を誇る資格試験です。社労士は国家資格であり、独占業務が付与されていることから、独立を目指す主婦やOLにも人気の資格。

特に、総務や経理に携わっていた女性には業務内容が近いこともあって、受験しやすいと言うのも人気の秘密。学生の受験者も増えています。

一方で、社会保険労務士試験を受験するためには、「受験資格」が必要となっていました。一般的には、学歴要件を満たして受験する受験者が大半で、短大卒以上の学歴が必要となっています。短大卒以上の学歴を有しない人は、行政書士を取得することで、資格要件を満たす必要がありました。その他に、実務経験などで受験資格を満たす方法もあります。

いずれにしても、学歴要件を満たすことができず、また、職歴要件(実務経験)も満たすことができない場合には、行政書士を受験して合格するか、通信制の短期大学に入学して卒業するというルートが一般的だったのです。

ところが、行政書士試験はそれほど簡単とは言えず、むしろ、社会保険労務士試験よりも難易度は高いと言えます。また、通信制の短期大学を卒業するのも、最近では短期集中スクーリングやインターネット授業などにより単位は取得しやすくなりましたが、期間的には2年程度必要になります。

そこで、受験資格がない人たちは社会保険労務士の受験を諦めてしまうことが多かったのです。しかし、第42回(平成22年度)の社会保険労務士試験より、受験資格が拡大されることになりました。

新たに、以下のような学校や資格が追加されています。

◎新たに認められた学校・国家試験

1.厚生労働大臣が認めた学校等
( 1 ) 美容師養成施設、理容師養成施設(いずれも学校教育法による高等学校の卒業
者を入学資格とする修業年限2 年以上のもの)。
( 2 ) 言語聴覚士学校、同養成所

2.厚生労働大臣が認めた国家試験(以下は抜粋。詳細はこちらを参照。)
( 1 ) 採用試験等
国家公務員Ⅲ種(行政事務及び税務に限る。)、外務省専門職員、国税専門官、
衆議院・参議院事務局職員(Ⅰ~Ⅲ種)、防衛省職員(Ⅰ~Ⅲ種。一般事務に限る。)、
自衛官(2 等陸・海・空士)、自衛隊幹部候補生、入国警備官、皇宮護衛官、裁判
所事務官(Ⅰ~Ⅲ種)、家庭裁判所調査官補(Ⅰ種)、刑務官、法務教官、国立国
会図書館職員(Ⅰ~Ⅲ種)など
( 2 ) 資格試験
司法書士、土地家屋調査士、学芸員、中小企業診断士、情報処理技術者(一部
を除く)、気象予報士など

かなり広範囲にわたって受験資格が拡大されているように思えます。社会保険労務士の取得を目指そうと思っていたが、受験資格で引っ掛かっていた女性には朗報と言えます。

ただし、拡大された項目自体は、比較的専門性が高いという印象があります。つまり、短大卒業以上という学歴要件が緩和されたということよりも、水平的に拡大されたようなイメージです。高校卒業で良いと言うことではなく、短大と同じような学校が追加されたと考えてよいでしょう。

また、資格要件についても、いずれもかなりの難関資格となっています。

上記の受験資格の拡大に自分が当てはまっているかどうかは、社会保険労務士試験公式サイトにて正確な情報を確認するようにして下さい。

社会保険労務士試験公式サイトはこちら

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