勉強の点が線になる時

勉強は、森を見て木を見る、と言われるように全体像をまずは把握してから、個別の論点を押さえて行く方法が効率的です。しかし、これはあくまで理想像であって、必ずしもそのように進めることが出来るとは限りません。

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点が線になる時
特に、資格試験の場合には、専門的な知識も多いことから、事前に森を見たとしてもなかなか全体像を把握することは困難で、むしろ個別の論点の学習を進めていくから入っていくことの方が多いと言えます。

この場合、個別の論点を勉強していくこと自体に問題はありませんが、全体像がぼんやりしているため、個別論点がなかなか明確になってこないということが生じることがあります。

例えば、個別で言っていることややっていることの意味は分かるものの、それが全体のどの部分に該当するのかが良く分からない、と言ったケースなどがあります。

しかし、それはそれで問題ありません。結論から言えば、「線と言うのは点の集まり」であると言えます。つまり、最終的に一本の線として繋がることが重要であって、勉強している過程においては、仮にそれが断片的な点であっても問題ないということです。

確かに、最初から一本の線になるように、左から徐々に右に連続した線が繋がっていくように勉強を進めていければ全体像も把握しやすく、また効率的です。

しかし、現実的には、必ずしも左から右へ順番通りに勉強することが良いという訳ではありません。時には2~3歩飛ばして右の方を勉強してから、2歩バックして左側を勉強した方が理解がしやすいということも大いにあり得ます。

この場合、個々の勉強をしているときは、線として一貫したつながりを持っているわけではありません。しかし、最終的に、点を全て繋げたときに、全体としての一貫性を保つことができるようになっています。

ですから、言い換えれば、勉強していて分からない論点が出てきても、あまり深い入りせずに進むことも必要です。時には割り切ってサクサクと進んでも良いのです。それは、点として理解することも確かに重要ですが、前後を飛ばして特定の部分の点だけを押さえようとしてもなかなか難しい場合がある。しかし、それらばいずれ勉強する前後の点を押さえることによって、最終的に一本の線として繋がるのです。

そのため、分からなくてもとりあえず問題を解けるレベルにまでは持っておくことをしてください。意味が分からなくても、問題を覚えてしまうぐらいに復習だけは繰り返し行っておく。

そうしないと、特定の点の前後の点を勉強しても、知識の結合がおこらなくなってしまい、自分の頭の中で線として繋がることができなくなってしまいます。これが続いていくと、だんだんと分からない部分が増えてきて、いずれは、全く分からないか、何をやっているのか理解がきかなくなり、挫折してしまう原因となる可能性が高いのです。

表現を変えれば、勉強はジグソーパズルと同じと言うこともできます。見本となる全体の絵や写真を見ながら、一つ一つのピースをはめていく。

この場合、端からピースをはめていく必要はありませんし、そのようなパズルの作り方をしていく人もすくないでしょう。特徴的なピースを選択しながら、見本を参考に部分的に埋めていく作業を行っていくはずです。

先の説明によれば、一つ一つのピースが「点」であり、完成したパズルが「線」になります。パズルも、肝心な部分のピースが埋まらなければ、どのような絵や写真なのかを理解するのは困難です。

勉強も同じことが言えます。仮に、全体の9割の個別論点をしっかりと勉強したとします。しかし、まだまだ全体像を見ることはできない。なぜならば、重要な部分のパースが埋まっていない可能性があるからです。最後に勉強する1割のピースがはまった段階で、ようやく全体を絵としてみることができるようになる。

しかし、途中でピースを埋める作業を辞めてしまえば、全体を見ることはできません。また、全体がどのような絵になっているのかは、最初の段階で分かることもあれば、最後までわかりにくい場合もある。これは、資格試験の内容や、科目などの特性によって様々です。

いずれにしても、重要なのは1つ1つのピースをしっかりと間違いなく埋めていくこと。1つ1つをはめている段階では、その部分がどのような絵の役割を担っているのか、あるいは、どのような位置付けにあるのかは分かりません。しかし、それら周りのピースも増えてきたりすると、だんだんイメージが付いてきます。ですから、1つ1つを大事に、そして最後までピースを当てはめる作業を辞めないことがパズルを完成させるコツです。

これば、勉強も同じことです。

1つ1つの論点をとりあえず問題演習中心にしっかりと押さえて行く。そして、それを続けてけば、最終的には全ての点が線として繋がるときが来る。そこまで待つこと、続けることができれば、頭の中は整理され、今まで分からなかったことが急に結びつく瞬間があります。

つまり、個別の点としての知識が、全体としての線という知識に変わる瞬間です。ここまで諦めないことが大切なのです。

自分には向かないとか、頭が悪いとか様々な理由を棚に挙げて勉強をやめてしまう女性は多いのですが、そういうことを考える前に、まずは一通り全部の論点を潰してみて下さい。

そうすれば、今まで分からなかったことが急に分かる瞬間があります。そこまで、一種の忍耐勝負ですが、それを超えれば合格は見えてきます。

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